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2025年01月15日
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一夜に物語をひとつ

2012年09月25日
皆様お久しぶりですこんにちは。
季節は秋に様変わり致しまして、9月ももう終わりになっています、ね…/(^o^)\ナンテコッタイ
ここまで戻ってこない気はなかったんだ…!!

一ヶ月もゆうに経ちましが、夏は楽しかったです。
お世話になりました!!(今更)
そして諸々経ちまして、その、すっかり失念していたのですが…
気付けば…4周年…経っていました…orz

ごめんなさいごめんなさいこんな管理人でごめんなさい!!
そして此処に脚を運んでくださる皆様に精一杯の感謝をこめて、ありがとうございます!

これからも延々リハビリと言いながら伸びきったゴムのように続けて参りたいと思います。
年々酷くなっている気はするけど。
いや、浮気はしてるが愛は潰えていない!!
(堂々浮気宣言か)
あ、神様BWⅡとネオのBOXが欲しいです。買っていいですか。(真顔)
世代です。ある意味でワタシの分岐点でもあった…。


拍手有難うございました!
反転で返信です。

伊織さま>
どうも遅くなりました~…ってGre●参戦ですか。連中結構あくどい商売しますからね。。。(何)
いやー、出されたら問答無用でやりますが、バンダイコ●クションと被ってたりしないだろうか。。
<番台は投げ出し済なので。。。←やってた
なんにせよ、騎士ガンダムが日の目を見るのはいいことですね!
SDXも出るし、私も団長のご活躍楽しみにしていますとも!(笑)




以下折りたたみにSSS。
フォーミュラさんと三つ子ちゃん。
是非とも私にも読んでいただきたい。

ほんをよんで、と
せがまれた。



「お前達…もうそんな歳でもないだろう?」

フォーミュラがさすがに呆れてそう返す。
名誉ある円卓の騎士に選ばれた三つ子の兄弟は、それぞれのベッドから顔を覗かせて少しの期待と不満を滲ませながら恥ずかしげに父親を見ていた。

いくら幼いとて、もはや本を読んでくれなどという歳でもないのだ。なのにそれを言い出したのは、あまり体調が優れないからだろうか。
どこかから風邪を貰ってきて、あれよあれよという間に仲良く順々に移ったのもここ数日の話。
剣士と闘士は持ち前の体力で快復傾向に向かっているものの、法術士は未だ熱が引かない。
三つ子の分もと奮起するフォーミュラが城と自宅を往復し、それでも夜だけはきちんと帰って(否、帰らされて)いる日々が続いている。
そんな時に、ぽつりと言われた一言だった。

「だって…でも…読んでほしくて…だめ?」

熱のせいでまだ些か赤い頬をした法術士がもじもじとシーツを掴む。便乗している剣士と闘士もどこか期待したように続けて、ちちうえ、と呼ぶ。

ここまでしてせがむ理由がフォーミュラにはわからない。
それに、と溜め息と共にこう言った。

「だいたい読んでやるような本や絵本などないだろう?」

長いこと留守にしてきた我が家は比較的そのままではあったが、絵本等の子供の遊具などは三つ子を預ける際にほぼ全て送ってしまったのでそのようなものは無いに等しいとフォーミュラは記憶している。
するとよたよたとベッドから起きた剣士が棚から一冊の本を引っ張り出してきた。


手渡された本は、金の刺繍で飾り付けられた、どこか薄汚れた布張りの赤い表紙。
真ん中には騎士が一人剣を振りかざしている影絵がある。
記憶があるような、無いような。
そんな曖昧な感覚でぱらりとページをめくって、そこではっと思い出した。

ああ…これは…

「お前達…これは…」

「前に掃除をしてたら、見つけたんだ」
「それは見たことがなかったから…」

そうか、と呟く。
ちくりと胸の奥を柔らかな棘が刺さったような感覚がした。


それは近くて、遠い遠い記憶。
彼らが知らない、覚えていないであろう兄弟にと自分が買った本だった。
きらきらした瞳で受け取った長兄と、妻に対象年齢が高いんじゃないかと苦笑気味に云われたのを今でも覚えている。
いつも妻が色んな絵本を読んでいたのに自分に持ってくるのはこの本ばかりで、寝るときも起きている時も何度も何度もせがまれて読んだのでこれだけは上手くなってしまった。

かっこいい騎士が、
勇猛な戦士が、
海に、山に、谷に、洞窟に。
ドラゴンに、怪鳥に、魔物に。
わくわくするような冒険記が、刻まれた本だった。


「…それだけごちゃごちゃした棚の奥のほうにあって、家の本は知ってると思ってたけど、それだけは見たことがなかったの。ちょっと見たらおもしろかったけど…」
「なんか…な?」

いつの間にかベッドに座ってごにょごにょと言う法術士と闘士に、傍らの剣士が腕を引いてこう言った。

「父上、読んで?」
『これ、よんで?』

年齢も顔立ちも違う風景が何時かの日とダブって、デジャヴを起こす。
それと同時に、フォーミュラはこの三つ子達にそういうことをしたことがないのだと思い出した。


ふ、と息を吐き出して立ち上がる。
一つのベッドに手招きして呼び集めると、枕を持ってやってきたので続いて自分も腰を下ろす。
固まって俯せに頭を揃えた三つ子に、毛布を一枚。熱のある法術士にはついでにブランケットを肩までしっかり掛けて念入りに。
隣り合うことは出来ないので、読み手と聞き手で本が斜めになるのは否めないからそこは目を瞑る。


ぱらりと表紙をめくって、世界は冒険記へ。
むかしむかしから始まるお約束に、何時か読んだ記憶が蘇る。


子供が眠るまで。

良い夢を見るまで。


「むかしむかし、ある国にそれはそれは勇敢な騎士がいました――」


低いテノール音が夜の帳へ静かに物語を紡ぐ。
優しい何時かの夢が、今に溶け込んでいった。




シェヘラザードのように上手くは語れないけれど。
 
一夜に物語をひとつ

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