[PR]
2025年01月16日
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
キミに。
2009年02月06日
小説サルベージ第二段~。
分からない程度に書き直ししてたりする。
話はやっぱり騎士ガンダムなのですがね。
実際ストックあるのはSDガンフォの方が圧倒的に多いのに、何故か騎士ガンダムを優先的にうpしてしまうワタシ。
あと、ガンフォはCPモノもあるんだけどチキンなので出すのを躊躇います。。。
今回はナイトとキャノンということで。
見ようと思えばCPでも見える?
書いてた当初、騎士ガンダム1の本編をスコーンと忘れてたので時間軸が謎です。
携帯ナイトガンダムした後、ふと小説を見返してから気付きました。(遅ッ!!)
ラクロア城出たのに、キャノンがいる・タンクもいる・アムロが仲間になっていない!!
そんなことはスルーできるぜ!!って方、どうぞ~。
分からない程度に書き直ししてたりする。
話はやっぱり騎士ガンダムなのですがね。
実際ストックあるのはSDガンフォの方が圧倒的に多いのに、何故か騎士ガンダムを優先的にうpしてしまうワタシ。
あと、ガンフォはCPモノもあるんだけどチキンなので出すのを躊躇います。。。
今回はナイトとキャノンということで。
見ようと思えばCPでも見える?
書いてた当初、騎士ガンダム1の本編をスコーンと忘れてたので時間軸が謎です。
携帯ナイトガンダムした後、ふと小説を見返してから気付きました。(遅ッ!!)
ラクロア城出たのに、キャノンがいる・タンクもいる・アムロが仲間になっていない!!
そんなことはスルーできるぜ!!って方、どうぞ~。
初めて見た時の印象はなんか少しばかりの違和感と共に。
フラウ姫がさらわれ、ガンダム一行がレビル王に命じられるまま捜索も兼ねたジオン討伐の為にラクロアを出発して幾日が過ぎた頃。
日も暮れ、町はまだ遠いと言う事で今日は此処で野宿だとキャンプを張る事となった。
キミに。
「キャノン、起きてくれ。交代の時間だよ」
そう言われ、ゆさゆさと身体を揺さぶられる感覚に俺は急激に意識を戻す。
野宿の時の浅い眠りではなく、今日は少し深い眠りに着いていたようだ。
「………おぅ………ぁ~……悪ぃ、すっかり寝入っちまってたか」
「戦闘じゃキャノンが先陣を切ってたから疲れているし、仕方ないよ。こっちこそ中番を頼んですまない」
欠伸をしながらそう言えば、ナイトは少し笑って申し訳無さそうに謝った。
キャンプの見張り番は交代で行われる。
最初と、中番と夜明け直前のラスト。
ラストは既に良い歳であるタンクが毎回勤めるポジション。
そして最初は良いが、睡眠が分断される中番は少しばかりキツいので俺とナイトが交代で行っている。
「ま、その辺は慣れてっから。それに俺、何処だろうが何時だろうが寝付きには自信あんだ」
「そう言えばキャノンは目を瞑った次に見たら寝てるね」
「んー……戦士の性っつうか…何か緊急時に動ける様に回復しようとする身体なんだよな。だから回復は出来る時にしてるのかもな」
「確かに僕達みたいな旅には、それが理想的かもしれないね」
「理想的なー。でもやっぱ体力回復の為の贅沢言うなら美味い飯とベッドってか?」
「それは同感かも。でも結局は次の町まで我慢だね」
「だなぁ。早く着けるように努力すっか」
出来るだけ目を覚ます為に、そして寝る前に少しでも緊張をほぐす為に他愛の無い会話を交わす。
そんな中、ナイトから差し出された茶入りのカップを受け取った時にはてと首を傾げる。
少しの違和感というか何というか。
「?何、キャノン?」
「いや………ナイト、お前何か最初と雰囲気変わったか?」
「雰囲気…?」
「なんつーか…城の中とか、戦闘時とかと比べてよ」
分からなさげにコクリと首を傾げるナイトに、なんだか少し幼い印象を受ける。
最初、ラクロア城で見た時は凜とした顔で謁見に臨み、戦闘時は上手く指示を出すやり手の騎士様のようで。
そう…第一印象は言うなれば“しっかりしている”という月並みな言葉だろう。
それが今は何だか、そう、言うなら全体的に少しばかり『幼い』感覚だ。
「私もそんな四六時中気を張っている訳じゃないから……キャノンは、嫌かい?」
「いんや別に。って言うか、俺としては堅苦しいのは苦手だし、どっちかってぇとそっちの方が助かるかな?」
これは別にナイトに遠慮してじゃなく、至って本心である。
性格上か、昔から堅苦しい所やガチガチで真面目一徹な奴は息が詰まってしまい、正直こっちが疲れてあまり長続きしない。
むしろ実のところ、ラクロア城でも謁見など居心地があまり良くないのだ。
「でも……まぁ言うなら、そっちの方が自然、じゃねぇのかな?俺はそっちのが好きだ」
「自然……もしかして、今まで謁見とか不自然だった?」
「やー………自然……そだな…自然過ぎてたっての?ピッタリハマり過ぎて逆に何か違うっつうか……」
あー、とか考えながら言葉を紡ぐ。
そう。
ナイトは、本当に絵に書いた騎士様をそのまま抜き出したような、不自然な程にイメージがハマり過ぎていて。
最初の内は苦手なタイプだと思った。
あまりに“人間臭く”(いや、ガンダム臭く、だろうか?)無いから。
そう口に出せば、ナイトは少し目を見開き驚いた様な顔をして、次に苦笑とも自嘲とも取れる笑いを漏らした。
「そっか……確かにそうかもしれないな…。キャノンは洞察力が鋭いね」
「別に、普通だろ?何日も一緒に居りゃ、素も出て来るだろうし」
そう返して、一時2人の会話が途切れる。
別に洞察力云々の話じゃない。
二面性など誰もが持っていて当り前だし、ただ俺は片側を少し自然だと感じただけだ。
間違いなど別にして。
それに実際、俺とナイトと一緒に居た時間はごく短い期間だ。だから全てが判るなどという訳でもないし、そんなおこがましい考えも持たない。
でも俺が【このナイト】を【自然】と感じた“理由”は、漠然とだがあるのだ。
旅の途中、時々だったが、本当に何となく。
誰にでも優しいしっかり者のナイトが、何処か甘えるような感じがあった。
その甘え方は、まるで小さな子供が親に甘えるような感覚に酷く似ていて。
でもその方法は、とても不器用で
とてもぎこちなかったように思う。
パチパチと燃える焚火の音だけが響き、暫くの沈黙が続いた後、ナイトはぽつりと口を開いた。
「僕はね、自分が生まれた場所も、どうして此処に居るのかも、全く分からないんだ」
静かに、淡々と、ナイトが語り出す。
言葉も顔も普通で、悲しいとかの感情が入り込んでいないのに、何故かその顔は一層幼さを引き出して。
「何か、自分が何なのかっていう明確な手掛りが欲しくて。
分からなくて、自分を探してる時に、いつの間にか仮面みたいな感じで、そんな理想の顔が素みたいになって。
でも、時々だけど同時にどうしようもない不安に駆られるんだ。もし、自分を知って、それでどうするんだ?って……」
焚火を見ながら言うナイトは、感情が無い分だけ痛々しく。
「考えるだけ、不安で不安でたまらない。
自分の知らない自分が居て、今の自分はどっちも嘘だったらどうしよう、って」
そう言って目を伏せた、その瞬間。
俺には、ナイトがとてつもなく孤独で寂しく、今にも泣き出しそうに見えた。
その疑問は、アイデンティティの確立が上手く成されていない思春期の頃に覚える不安。
自己と言う存在を説明出来なくて、ただ漠然と悩む問題。
その疑問を自分はどう解決したのかと過去を思い出し、そこではたと気付く。
そうか。
コイツには解決の糸口が無いんだ。
【己】を無条件で認めてくれる、親や仲間。
辛い時や、苦しい時。
悲しい事、嬉しい事を分ち合う人が居ない。
記憶が無いのだから、その存在も無い。
それでもナイトは、それを自分一人の力で解決しようとしているのか。
でも
そんなのって、哀しすぎるじゃねぇか。
「…………俺は適当だし、頭悪いから上手くは言えねぇけどよ………」
口から出た言葉の続きを、しっかりと頭で考えて組み立てる。
ここでは、ちゃんとした事を言わなければならない気がするから。
「喩え、お前の記憶が戻って、お前が何者か判ろうと、ナイトはナイトだ。
今俺の目の前に居る奴が、ナイトなんだよ。だから、お前が誰であろうと、過去の記憶が無くったって、お前は此処に居て良いんだ。
誰もそれを責める奴なんか居ないし、今、俺達と一緒に旅をして、記憶を刻んでる。
俺達は、それで充分だ。」
そう言って頭をぐしゃりと撫でると、ナイトは少し呆然として、次にゆっくりと笑った。
ナイトは強いから、とか。
ナイトはしっかりしているから、とか。
皆そう言うけど、多分違う。
本当はナイトは、人とそうそう変わらない。
いや
それ以上に
酷く不器用で、甘え下手で、酷く脆い。
一人で立てるから、加減を知らない。
一人で考えられるから、理解が出来ない。
器用で強くてしっかり者で、仲間思いな騎士様だからこその、孤独。
だが、だからこそ、誰かに少しでも甘えれば良いと思う。
甘える事を覚える事。
甘えても良いんだ、と思える事。
それが、今のナイトに必要な事だと思う。
「あの、ね、キャノン…」
「ん?」
「………………ありがとう…」
ふわり、と泣きそうに笑った
その顔は。
今までで、一番幼く見えた。
「おぅ……さ、もう寝ねぇと明日キツいぞ」
「うん…………おやすみ、キャノン」
「あぁ、おやすみ」
もう一度、ポンポンとナイトの頭を撫でる。
ナイトの記憶が戻ったら、とか。
俺が考えても分かんねぇし、どうにもなりゃしないから、此所で止めだ。
それに俺がお前の支えになる、とか。
そんなでっかい事は言えねぇけど。
ただ、俺も
タンクのじーさんも
認めてる。
「お前の帰る場所はな、ちゃんと此処にあるんだよ……」
いつの間にか、凭れる様に眠りについたナイトにそう呟いて。
パチリパチリと燃える焚火が、ぼんやりと3人の姿を照らす。
キャノンの見上げた星空に、一筋の流れ星が流れて行った───。
END
────
自分が誰か分らないって、相当漠然とした恐怖と不安だと思うんです。
だから、ナイトにとってのキャノンは『安心の対象』であり、側に居る人、なんですよ。
PR
Comment